必治

父の筆致を見たことがあった?
父の文字の形、くせを思い出せるだろうか。
母の文字、というのはよく見てきたから、きっちりハネトメがあっていつも紺色の万年筆の文字で、怖い言葉と、やさしい言葉がならぶ手紙をもらうから、だいたいわかっているつもりだが、父の文字を今日始めて見た。その文章をはじめて見た。てにをは、間違っているし、文章の並びもすごくバラバラ。でも、書き出しから、何かうずうずとしたものが、横にななめになった字から、ひりひりと伝わってきた。

知っていたのに、知らん顔をしていることには、きっと必ずぶち当たり、その傷が悪くなっていても、完全に自分が放置していたせいだ。カビ、みたいなものだ。
そういうものは、がっぷり向かい合わないといけない。マスクをして、ゴム手袋をして、ゴミ袋を用意して、いざ!という気分にならないといけない。ひりひりに向き合わないといけない。
そう、今日思いました。ので、来月頭に盛岡、ちょっと帰ります。

周りには、キラキラになるものがあって、そのどれもがいとおしいけれども、真ん中でキラキラさせる気がない太陽なんてびっくりで、面倒ですが、今、そんな感じです。だけど、周りにキラキラは回っている。ひとつだけ、照らすとしたら?
全部を微弱に光らせる方法は?
いつか光ると思っている太陽は、きっと死んでいるも同然でしょう。
ここで、スティービーが歌うわけよ。
ファイヤーーーーーーーーーーーーーー!
と。

Cause when I look inside my heart and I tell the truth to me
Loud and clear my soul cries out with total honesty
I need the fire, fire , fire to keep me warm
I got to feel the fire